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【日本株週間見通し】日経平均は2週続落、新型肺炎に敏感な地合いが継続か

 中国政府による景気支援策が好感されて19日のNYダウが4日ぶりに反発し、20日の日経平均も一段高でスタートした。しかし、横浜港で検疫を受けていたクルーズ船の乗客2人の死亡が伝わると地合いが急速に悪化して、日経平均の上げ幅は縮小した。個別では、米スピードウェイの買収独占交渉が報じられた7&iHD<3382>が財務負担への懸念から急落した一方、最大5000億円の借入発表で自社株買い実施に繋がる思惑が高まったソフトバンクG<9984>の上昇が目立った。

 新型コロナウイルスの感染が日本や韓国で拡大していることを警戒して20日のNYダウが反落したことを受けて、21日の日経平均も前日比マイナスでスタートした。しかし、1ドル=112円台に突入する円安進行もあって、日経平均は一時100円超と先物主導で上昇する場面もあった。その後は3連休を控えた週末とあって見送りムードが強まり、日経平均は3日ぶりの反落となる前日比92.41円安の23386.74円で大引けた。

 今週の日経平均は、23000円台での往来相場が継続しそうだ。米疾病対策センター(CDC)は19日、日本への旅行者に渡航注意情報を出すなど、日本経済への影響が懸念されている。中国本土の警戒レベルは3段階で最も高い「レベル3」で、日本は3段階で最も低い「レベル1」ながら、新型肺炎関連のニュースフローに全体相場は敏感に反応する展開が続きそうだ。内閣府が17日発表した2019年10-12月期GDP速報値が前期比年率6.3%減と市場予想を大きく下回ったことで、景気や企業業績に対する警戒感も増して地合いが悪化している。

 こうしたなか、週末・月末に向けて注目される海外経済指標の発表を控えていることが、見送りムードを強める可能性もある。28日に発表される米1月個人所得・個人支出は東京市場の大引け後の夜に判明するほか、29日には中国2月製造業PMI(購買担当者景気指数)の発表が予定されている。相場への影響は3月に入ってからとなるが、中国2月製造業PMIについてはリスク要因となりそうだ。また、翌週3月3日にはファーストリテ<9983>が2月度の国内ユニクロ売上推移速報を発表する予定にしており、このほかの企業の月次データのリリースに関心が高まっている。

 こうした懸念材料の一方で、1ドル=112円前後へ為替の円安が進行したことが相場の下支え要因として働いている。12月調査日銀短観の大企業・製造業の2019年度の下期想定為替レートは1ドル=106円90銭となっており、輸出型企業にとって現状の為替水準は、収益の増額要因として働く期待がある。

 物色的には、27日の2月権利落ち日を境に3月期銘柄の株式分割、配当、株主優待の権利取りへの関心が高まってこよう。また、12月期決算銘柄のうち好業績が確認された銘柄や3月のIPOラッシュを控えて直近IPO銘柄に個別株物色の動きが出始めている。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、振替休日で24日は東証市場休場、25日に1月企業向けサービス価格指数、AHCグループ<7083>がマザーズにIPO、28日に1月失業率・有効求人倍率、1月商業動態統計、1月鉱工業生産が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールでは、24日に米1月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米12月FHFA住宅価格指数、米12月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米2月CB消費者信頼感指数、26日に米1月新築住宅販売件数、27日に米10-12月期GDP改定値、米1月耐久財受注、米1月中古住宅販売仮契約、28日に米1月個人所得・個人支出、29日に中国2月製造業PMIが予定されている。

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