“医者か東大か”とはまさに究極の選択だが、この他にも東大を蹴る異才は存在する。前出・フリーライターが続ける。
「超が付く進学校にもなると、日本を飛び越して欧米の大学に進む生徒がいます。私が知っている生徒は、東大に合格した後、2~3か月だけ通って中退し、アメリカの超一流大学に進みました。東大はアメリカの大学に進むための“仮面浪人”のようなものです。しかも驚くべきことに、彼は帰国子女ではありませんでした。日本の英語教育が問題視されることもありますが、トップオブトップの中では、そのような秀才もいるのです。
数年前には、東大と東京音大に合格し、音大を選んだ生徒が話題になりました。その生徒は高校時代に音楽で頭角を現す一方で、勉強でもトップクラスの成績を残し、悩んだ末に東大と音大を受験したところ、両校とも合格。音大を選んだそうです。
受験業界で伝説となっているのは、もう30年近く前のことですが、最難関の理III(理科三類)を蹴った受験生です。その生徒は数学オリンピックのメダリストで、『最難関だから』という理由で理IIIの前期試験を“受けて合格しながら、後期試験で京都大学の理学部を受験。そちらも合格して、結局、数学を学ぶために京大に進みました」(同前)
傍から見れば「もったいない」というセリフも漏れそうだが、18歳にして自分がやりたいことを定め、自分の信念に従って進路を決めるという姿勢はあっぱれというほかない。