キャリア

ランドセル選びに見る格差の縮図 夫婦喧嘩や見栄の張り合いも

ランドセルは親の見栄ための物?

 ランドセルが見栄の張り合いの道具と化すパターンもある。渋谷区に住むEさん(40代女性)は昨年、息子のランドセル選びでウンザリさせられた。

「息子が幼稚園の年長組になった時、ママ友から教えられ、世の中にブランドランドセルという物が存在することを知りました。ママ友の中には、入学式の1年以上前から資料を請求したり、展示会に足を運んだりする人もいて、人気のランドセルの発売日はちょっとした騒ぎでした。ウチは結局、義理の両親から送られてきた物を使っていますが、『T(人気のブランド)のランドセルが買えた』『Nが欲しい』と話しているママ友を見ていると、完全に見栄の道具だと思いましたね」(Eさん)

 裕福な家であれば、子供の持ち物にもこだわるのは自然な流れ。“ランドセル格差”は確実に存在する。

「息子のランドセル選びで、すっかり“ランドセル通”になった夫は、『あれは○○(大手流通グループ)のランドセル』『あれは△△(量販店チェーン)』など、子供たちが背負っているランドセルのメーカーを当てられるようになりましたが、ある時ボソッと、『やっぱり背負ってるランドセルで、友達も固まるんだよなぁ』と言っていました。ウチの子が通う小学校の学区は、低層の高級マンションや一軒家がある一方で、庶民的な商店街や都営団地もあり、家庭の経済状況はバラバラですが、“互いにあまり交わらない”という事実はあるようです」(同前)

 ランドセルひとつをとっても、問題はいくらでもあるようだ。

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