近年、補助が手厚くなってきたのが、少子化対策としての出産・育児関連の給付金だ。東京都渋谷区が全国の自治体に先駆け、出産を控えた妊婦に「ハッピーマザー手当」5万円の支給を開始したのは、2006年のこと。当時をよく知る区議会議員はこう語る。
「2004年の合計特殊出生率で、渋谷区は全国最下位になったんです。そこで、もっと安心して子供を産んでもらうにはどうしたらいいかと考える中、妊婦さんが受ける13回の妊婦健診のうち、当時の渋谷区では3回分の補助しかしていませんでした。そこで、その差額も補助しようと、1回5000円×10回分の5万円を手当として支給すことにしたんです」
この取り組みは、全国で注目を集め、他の自治体にも広がり、現在では全13回分の補助が国から支給されるようになった。その結果、全国や東京都に比較して渋谷区の出生率は低いものの、2000年から2014年までの10年間で0.32ポイント上昇するなど効果を発揮。現在は「ハッピーマザー出産助成金」と名前を変えて、子供1人につき10万円を支給している。
※女性セブン2016年6月30日号