新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月初旬から日本の全国のほとんどの学校が臨時休校となっている。これに伴い、「子供のために仕事を休めない共働き家庭はどうする?」「給食食材の行方は?」「仕事を休んだ親への休業補償は?」……など、様々な問題が生じているが、神奈川県在住の男性・Kさんが気を揉んでいるのは、子供の学費の問題だ。
Kさんは現在40代で、子供は小学4年生。小学校から私立に通い、一流大学を経て有名企業に就職したKさんは、子供にも同じような教育を受けさせたいと思い、娘を県内の名門私立小学校に入学させた。Kさんの妻も難関私大の卒業生で、現在も一流企業で働くバリバリのキャリアウーマン。子供の教育にお金を掛けるというのは、夫婦の一致した意見だった。
コロナの影響で臨時休校が始まると、Kさんは在宅ワークを選択。子育てについては特に問題はなかったが、休校が始まってから1週間ほど経つと、“パパ友”からの連絡が頻繁になってきた。娘の同級生の父親同士によるLINEグループがあり、そこである議題が持ち上がったのだ。Kさんはいう。
「最初は穏やかに、『卒業式はどうなるんでしょうか』『勉強はさせていますか?』『公園に遊びに行かせるのは良いのでしょうか』といったことが話し合われていましたが、2週間ほど経った後、あるパパが『このまま3月いっぱい授業がないなら、授業料はどうなるんでしょうか?』と言い出し、『確かに』『そういえばどうなるんでしょう』と、次々と同調する声が上がったのです」(Kさん。以下同)
Kさんの娘が通う小学校は、首都圏の私立小学校の中でもとりわけ学費が高く、保護者は社会的ステータスが高い人ばかり。だからこそコスト感覚がシビアな人も多く、「学校に返還してもらえないか交渉してみましょう」という意見で盛り上がったのだという。