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寿スピリッツ(2222):高利益率なブランド展開を評価

寿スピリッツ(2222)市場平均予想

tomatsu20160620

企業概要

 子会社18社及び関連会社2社で構成され、傘下の地域限定菓子製販会社を統括する「ブランド菓子の総合プロデューサー」です。同社は各地の名産品を使ったお饅頭などお土産菓子を生産する会社でしたが、1990年代末頃から、各地でブランド菓子の展開を始めました。北海道小樽市の洋菓子「ルタオ」が代表選手です。

「ルタオが、駅でシュークリームを売っている会社が運営するブランドとは!」という感情となりましたが、同社は96年に北海道土産メーカーとして北海道進出しています。千歳市にコトブキチョコレートカンパニー(現ケイシイシイ)を設立し、チョコレートとラングドシャがラインナップに加わり、98年にはケイシイシイが小樽市に「ルタオ」を立ち上げました。ルタオのチーズケーキは北海道土産で大ヒット商品となり、ルタオを運営するケイシイシイは同社利益の50%を稼ぐ同社利益のけん
引役となっています。

 ルタオのような地域限定のブランド菓子を百貨店などの商業施設や空港や鉄道など交通機関で販売することで、劇的な業績変化を遂げた企業です。

 通販サイトでの販売もしており楽天売上1位となる実績を持ちながらも、中核商品は「その土地でしか買えない」という限定性は譲りません。これはお土産菓子の製造を行ってきたノウハウとも取れます。

 ネーミングを見ても、「東京ミルクチーズ工場」や「コンディトライ神戸」「築地ちとせ」など、どこで買えるものかはっきりわかるし、東京とついているだけでスタイリッシュです。訪日外国人にも受けがいいのでしょう。

注目ポイント

 足元の業績が好調で、景気先行きの不透明感を織り込みながらも明るい業績見通しとなっています。既存事業の好調・生産強化に加え、17/3期は通期寄与してくるフランセがどのように成長し、同社の業績に寄与してくるかが一つのキーポイントとなると思います。特にイベント商戦に強い体質のため、下期でどれだけ伸ばせるかです。

 同社は、シュクレイというブランドで首都圏戦略に成功しており、そのノウハウを活かしたブランド改築を進めていくと考えられます。9月に改築が終了し、下期から大きな伸びが期待できる算段ではないでしょうか。

 また、強化のつづけられるインバウンド需要については、すでにルタオなどが売り上げの3割を占めるという先食いぶりではありますが、いままでの施策に、あくまでもプラスで寄与してくるものです。主に円高を背景に訪日外国人の伸びが鈍化しないか、という点ではこれまでの急激なインバウンド需要は見られないかもしれませんが、単にビジネスチャンスを拾うという意味では、成長の一つのピースになると思います。国際線への出店は昨年から始めたばかりということで、伸びしろに期待したいところです。

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