しかし、管理を強化しただけで、制度を変えるわけではない。MSCI側は、管理強化の成果を見極めた上で、判断したいとしている。
率直に言えば、双方の間には根本的なところで埋めがたい深い溝があるように思う。
証監会は外資に対して長期安定投資家として行動してほしいと考えている。QFIIの買いは全体として、“バイアンドホールド”、株価が安いときほど逆に買いを入れるような投資スタンスを持ってほしいと期待している。
一方、相場をかく乱するようなヘッジファンドには参入してほしくない。資本流動性制限は投機を防ぐための措置である。
中国は、アジア通貨危機の経験から、短期金融市場を自由化することは国家にとって大きなリスクがあると考えている。金融市場を守るという点からも、資本回収規制は外せないだろう。
上場会社の取引停止に関する任意性についても、完全撤廃は難しいだろう。
取引ルールは公平、公正、透明でなければならないが、それと同等、あるいはそれ以上に国家にとって利益を生むものでなければならない。この点が、中国側とMSCI側との間にある最も大きな考え方の違いであろう。