家にいる時間が増えると、光熱費も増える。平日の日中もそれぞれの家族がパソコンやテレビ、ゲーム、冷暖房を使っていると電気代は上昇するし、自炊が増えることでもガスや電気代が増える。家もすぐホコリがたまるので掃除機をかける頻度も上がる。日用品でも消費が増えがちで、トイレットペーパーやティッシュ、ハンドソープなどの減りが早くなったと感じる人は多いはずだ。
テレワークに切り替えている人は、仕事の関連費用に注意だ。自宅に仕事に適した机と椅子がないのに長時間仕事をしていると、腰を痛めたりして効率が落ちることもあるので、これを機に新調する人もいるようだ。中には私物のパソコンや関連機器を使っている場合もあり、スペックが不十分で買い替えを余儀なくされることもある。電話代やコピー用紙、印刷にかかるインクも自分で負担している人がいるが、チリも積もれば大きな出費になる。業務に必要な出費をした場合は領収書や明細を保管し、勤務先に負担してもらうよう交渉したい。
さらに、自粛ストレスを解消したり、巣ごもり生活を充実させるための出費も必要になる。新たに動画配信サービスに契約したり、本を買ったり、子どもにゲームやおもちゃ、教材を買い与える家もあるだろう。なるべく費用対効果の高そうなものを選んだり、企業が一時的に無料開放しているサービスを利用するなどしたい。
それぞれの出費の増減は、ライフスタイルや家族構成によって大きく異なるので、収支が改善するか悪化するかは一概に断じることはできない。いずれにしても、“コロナ前”とは一変するので、まずは足元の出費をリスト化するなどして見える化し、どのように変化しているかを把握するのが重要だ。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)