ただ、その動機や目的はコロナ陽性という間違った噂により、感染の恐れを回避するためですが、悪質とまではいえなくても、職場で1日中、同僚や上司に遠巻きにされては、やはり大きな苦痛です。
この状況下はパワハラに当たると、私は思います。上司に事情を説明し、噂による差別をやめさせ、正常な業務をさせるよう求めてください。会社が噂に惑わされない対応をすれば、人間関係の切り離しなどもなくなるはずです。
会社が応えてくれないときには、個別労働紛争として都道府県の労働局長の助言・指導・あっせんを求める方法があります。この手続きを取ることで、会社はあなたを不利益扱いできません。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2020年4月24日号