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「コロナ陽性」のデマで上司に仕事を外されたらパワハラか?

パワハラの定義をあらためて考える(イメージ)

パワハラの定義をあらためて考える(イメージ)

 新型コロナウイルス騒動は日本のみならず全世界に及び、浮上した問題が風評被害。「〇〇さんは陽性だ!」とのデマが流れて、仕事が外されてしまった場合、どうすればよいのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 職場で知人が新型コロナの陽性の診断がされたと話をしたところ、私も陽性だとのデマが流れ、上司に取り組んでいたプロジェクトから外れてほしいと通達されました。社内では遠巻きに私を見ている状態が続き、なにより仕事から外されたことが悔しく、デマに惑わされた上司はパワハラになりませんか。

【回答】
 新型コロナウイルス感染者は、会話や接触で感染源になるリスクがあり、公衆衛生上において隔離などの特別扱いなることはやむを得ません。しかし、根拠のない噂に基づく職場での差別を受けた人の辛さは、容易に想像できます。

 同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えるか、職場環境を悪化させる行為がパワハラとされ、6つの類型があります。そして、パワハラにあたるかどうかは、その行為の動機、目的、内容、態様、時期・時間、場所、周囲の状況、当事者の人間関係などを基に、6つの行為類型に照らし合わせた上で、総合的に判断されることになります。

 上司が部下をプロジェクトから外したり、職場で同僚が遠巻きに見て交わらないことは、類型の一つである「人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)」に当たります。また、仕事をさせないのは「過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)」といえます。

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