前出の田口さんも、現在はネット通販を活用して、CDやレコードを購入している。
「新品の場合は通販でいいんですが、中古盤を通販で買うのはちょっとためらってしまいます。時にアナログ盤は、ジャケットを含めて、どういった状態なのかがすごく気になる。視聴するだけなら、YouTubeで検索すればどうにかなることも多いのですが、私の場合はあくまでも“モノ”にこだわっているので、検盤は必須です。現物を手に取れない通販ではやはり心配な部分があります」(田口さん)
ショップ休業だけでなく発売延期も続出
4月以降は、CDショップが休業するだけでなく、CDやDVDなどが発売延期となるケースも増えている。エンタメライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「“制作上の理由”ということで発売が延期になる場合が多いです。レコード会社のスタッフもテレワークになるなどして、今まで通りに仕事ができる状況ではなく、実際に制作そのものが追いつかないということも多いでしょう。
また、思うように宣伝ができないという事情もあるはず。CDの場合、街中や駅の大看板やアドトラックなどを活用することも多いので、外出自粛要請が出ていると、宣伝効果がなくなってしまう。また、ショップとのタイアップキャンペーンや店舗でのポップ展開も重要なので、店舗が開いていないことには、それらの施策も意味がありません。そういった事情も相まって、発売日をずらすケースが増えているのでしょう」