「地域格差」もある。郊外の病院のほうが、入院費用が安くなるのだ。入院時、前出の「一般病棟入院基本料」に医療経費の地域差を考慮した「地域加算」が上乗せされる。1日の加算額は1級54円、2級45円~で、最も低い7級は9円だ。
「東京都の場合、1級地は23区内、7級地は東大和市と武蔵村山市、瑞穂町が該当します。1級と7級の差は1日45円ですが、1か月入院すれば1350円の差になります。骨折などの場合は症状がひどければ、入院が長期に及ぶこともある。地域加算の安い郊外の病院に入院するほうが医療費を軽減できます」(同前)
軽度の病気なのに利便性や評判を気にして大都市の病院を選んで入院した場合、「看護師」の数や「地域加算」により、入院費用がかさんでしまうのである。
※週刊ポスト2016年7月15日号