手当が減って月収3割減
県外移動、海外渡航が制限されたことは旅行業界に大きな影響を及ぼした。大手旅行代理店・JTBの30代社員が語る。
「4月はテレワークでも週2日ほどしか仕事をしておらず、残業も認められなくなって、収入が激減しました。例年より金額は下がりますが、ボーナスが出そうなことが不幸中の幸いです」
同社広報室に尋ねると、「所定労働時間内で労働をするようにしていますが、やむを得ず所定労働時間外に労働が発生した場合は、適切に管理しております」と回答した。
同じく大手旅行代理店のHISは6月24日、2020年10月期第2四半期の決算の純損益が34億5900万円だったと発表。3月に連結業績予想を発表した際には、夏季ボーナスの支給を見送る方針だと報じられた。
航空業界も危機に瀕している。日本航空(JAL)では3月29日~7月16日の間で国内線5万3154便が減便(減便率57%)。国際線の夏期ダイヤ(3月29日~7月31日)でも、1万8186便が減便される。
その煽りを受けたのが、フライトが激減したキャビンアテンダント(CA)だという。JALの20代CAはこう嘆く。
「CAのほとんどは20代後半で月収30万~35万円程度ですが、そのうち10万円くらいは『乗務手当』と、渡航先で発生する『宿泊手当』が占めています。
一般的に、乗務手当は時給900~1000円程度で、月換算で7万~8万円ほど。宿泊手当は国内線で月2万~3万円、ニューヨークなどの海外都市では月5万~6万円ほどになります。コロナで飛行機が飛ばなくなると10万円程度の手当が消えて、月収が3割減りました」