こうした「集まりたがる」教員と「オンライン派」の教員の溝は、他の大学でもあるようだ。関東地方の中堅私立大学で勤務する女性教員・Bさん(40代)が語る。
「私の学部のなかでも、『前期の期末テストは、大学に集めて受験させてもいいですか?』、『春にキャンパスライフを送れなかった学生がかわいそうだから、夏休みにキャンパスで臨時の歓迎パーティーをしたい』など、とにかく集まりたがる教員がいますね。
講義についても、年配の教員ほど『オンラインでは学問の熱が伝わらない』、『後期は絶対に大教室で講義したい』などと、オンラインを頑なに拒否する人がいます。ここだけの話、そういう“集まりたがる”タイプの先生の講義に限って、学生からの授業評価アンケートの結果は、低評価なのです」(Bさん)
ひざを突き合わせ、白熱した議論を交わしたい。あるいは定期的に飲み会の場を設けて親睦を深めたい――。こうした大学教員の考え方自体は理解できても、「集まる」ことのリスクはまだ消え去っていない。そうした状況であるだけに、「オンライン派」の教員たちは、埋めがたい意識の溝を苦々しく思っているようだ。