その際、事前に「ねんきんネット」や年金事務所で、受け取れる年金額をチェックしておこう。受給開始のタイミングが決まったら必要事項を記入した「繰上げ請求書」と年金手帳などの必要書類を年金事務所に郵送するか窓口に持参する。
「受給開始は請求書が受理された翌月から。必要書類の準備を含め、3か月程度の余裕を持って進めてほしい」
一方、「繰り下げ」の場合、65才時点で送られてくる「年金請求書」を送り返さないことがポイントだ。
「何も考えないで送り返してしまうと、その時点で受給が開始されてしまうので、繰り下げできなくなる。一度受け取ると繰り下げ受給は選択できなくなるので要注意です」
繰り上げ同様、受け取れる金額をチェックし、受給開始のタイミングを決めておこう。受給開始を希望する前月までに「繰下げ請求書」を年金事務所の窓口に取りに行くか、年金機構のホームページでダウンロードして記入する。年金事務所に郵送するか窓口に届ければ手続き完了だ。
「繰り下げは“予約”ができないので注意が必要です。受け取りたいタイミングで手続きするしかない。年齢を重ねると認知症になって申請を忘れたりするリスクもあるので、前もって家族や信頼できる知人などに受け取り方を周知させておきましょう」
老後の生き方は、夫婦によっても、収入によっても、まったく違う。絶対の正解はないだろう。ただ、安易に「普通にもらおう」と考えるのでは、大きく損をする可能性もある。いま一度、自分の将来を考えてみてはどうだろうか。
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号