【特徴3】「誰かに相談する」ことができない
「最近よく感じるのは、誰かに相談することが習慣化されていない学生が一定数いる、ということです。保護者や友人、教員や事務員など、とにかく誰でも良いからまずは相談してほしい。自分の中で問題をすべて受け止めてしまい、それで頭や心がグチャグチャになってしまい、最悪の場合、音信不通になったり退学することになったりする学生をたくさん見てきました。
パソコンが使えない、Wordを使ったことがない、学費が払えないかもしれない……。こういった悩みは相談してもらえれば、こちらで対応可能な選択肢を提示することもできます。しかし、中には相談すること自体が恥ずかしいことだ、悪いことだと思ってしまう学生もいるようです。学力以前に、まずは人にサポートしてもらうことを恐れないで欲しい。心からそう思います」(30代女性教員/私立大学)
このように、教員への聞き取りから、学力や講義参加への積極性、出席回数などとは別の能力が、単位取得に大きく左右するという側面も見えてきた。近年、単位が足りず卒業できない学生や留年学生に向けた“救済プログラム”を採用している大学も少なくない。補講を行い、その受講によって単位を認定し、成績が芳しくない学生をフォローするシステムだ。
だが、そもそも日頃からたびたび単位を落としてしまうという学生には、上記で指摘されたような共通項も見受けられる。そうした学生は、安易に救済プログラムを頼る前に、まずは自分の行動と習慣を見直してみることから始めてみるとよいかもしれない。