受験生や受験業界でよく聞かれる「Fラン大学」という単語。その語源や解釈は諸説あるが、一般的に「受験偏差値が低い大学」のことを指している。
ネットでは、「英語はアルファベットから教える」「分数の足し算ができない」「卒論が感想文」など、真偽不明な情報が飛び交っているが、2017年に、マネーポストWEBでは、〈Fラン大学に入った優秀な学生 「結果的に良いこと尽くめだった」〉という記事を紹介した。そこで登場したTさんは、当時1年生だったが、その後どうなったのか?
〈記事の概要:Tさんは県下有数の進学校出身。家庭の都合で自宅から大学に通うことが絶対条件だったが、選択肢は3つしか無く、第一志望に落ちたため、Fラン大と言われる大学に入学することになる。ただ、入試成績が良かったため、学費は全額免除。資格取得を目指すTさんに対し、大学は勉学面で手厚くサポートをしてくれ、学内でできるバイトまで用意してくれた……〉
資格取得、教員免許、そして…
第一志望に落ち、不本意な形で大学に通うことになったTさんが目指したのは、資格の取得だった。Tさんが合格したのは人文科学系の学部。幼い頃から読書好きだったTさんは、大学で歴史を学ぶのを楽しみにしていた。その一方で、いざ入学してみると、大学の知名度はほぼゼロ、しかも文系であるため、将来の就職活動にとっては圧倒的に不利だということを知る。そこで大学名に頼らずに就職できるよう、講義だけでなく資格取得講座にも出席することにした。
「講座に出席する学生はほぼ毎回、私ひとり。マンツーマンなので、分からなければ分かるまで教えてもらえますし、テキストや問題集、過去問などはほぼタダでもらえました。たぶん大学は、資格取得実績を上げたかったんだと思います」(Tさん、以下「」内同)