日銀のマイナス金利導入の影響が銀行預金や住宅ローン金利のみならず、生命保険商品にも広がっている。生命保険各社は契約者から預かった保険料を主に国債で運用しているが、マイナス金利によって国債の利回りが低下し、契約者に約束した運用利回り(予定利率)の確保が難しくなったためだ。
2月16日のマイナス金利導入直後から、契約者が一括で保険料を払い込む一時払いの終身保険や個人年金保険といった貯蓄性の高い保険商品の販売を停止する生保会社が相次いでいる。同日に販売停止に踏み切った第一生命の子会社、第一フロンティア生命をはじめ、富国生命や明治安田生命などが続いた。
4月には日本生命が銀行窓口で販売していた円建ての一時払い終身保険を休止、朝日生命も営業職員が販売する一時払い終身保険と一時払い個人年金保険の取り扱いを中止した。
また、販売停止に至らずとも、運用難によって保険料を値上げする動きも相次ぎ、住友生命や第一生命などは一時払い終身保険の保険料を一部引き上げている。
さらに、6月には、かんぽ生命が一時払い定期年金保険(保険料を一括で払うと年金を10年間受け取れる年金保険)に加え、子どもの教育資金を確保するために加入する学資保険の一部の販売停止に踏み切った。