受験偏差値の低い、いわゆる「Fラン大学」と呼ばれる大学に優秀な学生が進学したら、どんな学生生活が待っているのか? 関西在住のTさんは、学業成績は優秀ながら、家庭の事情もあって地元のFラン大に進んだが、学校側のサポートと本人の努力の甲斐もあり、見事に公務員試験に合格。来春から、地元ではエリートとされる公務員になることが決まり、両親は涙を流して喜んだ。しかしTさんは、もともと県内屈指の進学校に通っていて、そこでも上位クラスの成績を収めていた優等生。大学の同級生とはとことん波長が合わなかったという。
「高校の同級生から大学生活の話を聞くと、レベルの差を痛感させられることは多かったです。高校の友達やその同級生は、海外留学を視野に入れていたり、司法試験などの難関資格取得を目指したりしているのに、私の大学の同級生からそんな話は聞いたことがありません。英語の授業のレベルを考えると、ウチの学生では英検2級も厳しいでしょう。
各々が書いたレポートをクラス全員で読み合う授業がありましたが、“てにをは”がメチャクチャだったり、誤字脱字が酷かったり、文末が『……と思います』ばっかりだったり、国語力は大学生のレベルではなかったですね。本を読んでる学生は見たことがなく、私が文庫本を読んでいたら変わり者扱いされました」(Tさん。「」内以下同)
「それな」「ヤバい」だらけの会話
英語の授業では、「cat=猫」が訳せなかった学生がいたというから驚きだ。学内には、クイズ番組で珍回答を連発するおバカタレントになれそうな“逸材”がゴロゴロといたという。
「一般常識のレベルもヒドい学生だらけです。出身地の話になった時に仙台を知らなかった人、首相と総理大臣は別ものだと思っていた人、アメリカの首都はニューヨークだと言い張る人……、小学生レベルの漢字が読めないのは日常茶飯事です。
語彙がとにかく少ないのも特徴です。片時もスマホから目を離さず、何を言っても『それな(≒そのとおり、そうだよね)』と『それマ?(=それマジ?の略)』という答えしか返ってこない女子。会話の99%を『ヤバい』『うざい』『面倒くせ』『あざっす(=ありがとうございます)』『知らね』で片付ける男子、根本的にコミュニケーションが成立しない人もいました」
ボキャブラリーに関しては、「若者なんてそんなもの」という声もあろうが、日本で20歳前後まで生きてきて仙台を知らないのは、たしかに“ヤバい”。それ以外にもエピソードは山のようにある。