Bさんは、金券ショップの苦境について、外出自粛のほかに、フリマアプリの台頭も影響しているのではないかと見る。
「本来、フリマアプリの利用規約では金券の出品は禁止されているはずですが、コロナ以降は、運営の目をかいくぐって、商品券や株主優待券などの出品が増えている印象です。いつも在庫があるとは限らないですけど、金券ショップよりもちょっと安いものが見つかることが多い。特に外出自粛中は金券ショップに行くのもはばかられるので、正直、ネットで買えるほうがありがたいという思いもあります」(Bさん)
これまで金券ショップの利用経験がないという20代の男性会社員・Cさんは、「今後も活用することはないと思います」と語る。
「メールやLINEが当たり前の時代、手紙やはがきの需要が減り、切手を使う機会も減った。さらにコロナ禍には、ライブはなくなり、遊園地、映画館などにも行かなくなった。移動が発生しにくいということは、飛行機や新幹線も使わない。格安切符よりも、旅行代理店経由のパックツアーの方が安いことだって多い。パックツアーなら『Go Toキャンペーン』も利用できる。
切符にしても、今はSuicaなど交通系ICカードが主流。『スマホでピッ』に慣れてしまっているので、仮に金券ショップで少し安いチケットが買えたとしても、いちいち切符を出すのが面倒に感じてしまいます。そういう意味で、今後も金券ショップを活用することはないと思います」
もちろんコロナが収束に向かえば、人の移動も復活するようになり、金券ショップを利用する人も今より増えてくるだろう。だが、社会のデジタルシフトが進む中で、そのニーズは着実に変化しつつある。はたして金券ショップはどう生き残っていくのだろうか──。