新型コロナウイルス感染拡大に伴う日本経済への影響は大きい。様々な業種にダメージを与えているが、とりわけ旅行業界への影響は顕著だ。その余波を受けているのが「金券ショップ」だ。株主優待券や新幹線チケットなどが投げ売りされたり、一部では閉店する店舗も出てきている。金券ショップはこのまま淘汰されていくのか──。かつての利用者たちの声を聞いた。
30代の男性会社員・Aさんは、新型コロナ以前はよく利用していたが、ここ数か月の移動自粛ムードから必然的に利用が減った。
「出張や旅行に行く時は、ホテルだけ予約して金券ショップで新幹線のチケットを購入していましたが、緊急事態宣言以降はまったく利用していません」(Aさん)
そうしたなかで、Aさんがよく立ち寄っていた店舗の一つが閉店していたことを知った。Aさんは「それも仕方ないことなのかな」と話す。
「コロナの影響で旅行にも行かないし、買い物もしないので、電車や飛行機の切符や商品券が必要なくなる。しかも、時代はキャッシュレス。クレジットカードのポイントやスマホ決済の還元率の高さを考えると、金券ショップで売っている商品券よりもキャッシュレスの方がお得で便利な気がします」(Aさん)
30代の女性会社員・Bさんは、全国共通グルメカードの「ジェフグルメカード」を金券ショップで買って、外食費用に充てることが多かったという。それも外出自粛に伴って利用する機会は減った。
「だいたい1枚500円のものが480円くらいで売っていたので、ちょっとした節約になっていました。でも、今はすっかり外食をしないことに慣れてしまい、減りも少なかったです」(Bさん)