FRBの政策金利は「フェデラル・ファンドレート」、通称「FFレート」と呼ばれる。現在の誘導目標は0.25~0.50%だ。追加利上げの幅は0.25%とみられているため、実施されれば誘導目標は0.50~0.75%となる。
そこで、FFレートの先物を取引しているシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のデータを見てみると、2016年12月のFOMC で追加利上げがある確率は34%。これが50%を超えてくるのが2017年6月のFOMCでの51%となっている。したがって、マーケットのメインシナリオは、「年内の追加利上げの可能性は低く、実施は2017年半ば以降」といったところだろう(なお、この確率は、実際に売買されているFFレートの先物価格からCMEが理論的に算出しているもので、市場参加者の単なる予想とは異なる)。
マーケットの想定は常に正しいとは限らないが、市場参加者は、当面追加利上げは無いとみて、安心して株を買ってきているわけだ。米国の株高は、短期間で終わらないと考えておいた方がよいだろう。
文■松岡賢治(ファイナンシャルプランナー・ライター)