米国の株式市場が絶好調だ。7月12日、ダウ工業株平均(NYダウ)の終値は1万8347.67ドルとなり、2015年5月以来、約1年2か月ぶりとなる史上最高値を更新した。その後も、連日のように最高値更新を果たしている。
この株高にはいくつかの材料がある。まず、直接的に大きなインパクトがあったのが、前週末に発表された6月の米雇用統計だ。事前予想を大幅に上回り、米経済の先行きの不透明感が払拭された。また、発表されている主要企業の決算が、足元の2016年4-6月期は減益となるものの、7-9月期以降は増益に転じる可能性が高まったことも挙げられる。
こうした材料が素直に好感された背景には、なんといっても、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が大幅に後退したことがある。日本時間7月7日に発表された6月に連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、多数のFRBメンバーが早期利上げに懸念を表明していたことが判明。しかも、その6月のFOMCの後に英国のEU離脱(ブレグジット)が決定し、さらに利上げが先送りされるとの見方が台頭している。実際、ブレグジット決定後、その影響で早期利上げは難しくなったことを認めるコメントを発したFRBメンバーがいる。
つまり、景気は堅調を維持しつつ、外部環境などにより利上げは先送りされる――という株式市場にとってはまたとない環境が米国では実現されているのだ。
では、こうした好環境はいつまで続くのか。いまの米金融市場が想定するFRBの追加利上げの時期について、チェックをしてみたい。