外需低迷についてはそれほど心配していない。
輸出の伸びは2015年1月以来、18か月中15か月でマイナスといった状況であり、6月の減少幅は5月よりも拡大している。ただし、輸出以上に輸入の落ち込みが激しい。中国は加工貿易が主体なので、輸出が減れば、自然に輸入も減る。また、国内企業の実力が上がり、国内製品が輸入製品を駆逐してシェアを伸ばしている部分もある。
心配なのは固定資産投資である。特に、民間固定資産投資の鈍化が厳しい。今後もこうした傾向が続けば全体の成長率低下は避けられないだろう。
産業分類からみると、第1次産業は6月累計で21.1%増、第3次産業は11.7%増である。厳しいのは第2次産業で4.4%増に過ぎない。
第2次産業について少し詳しくみると、鉱物採掘業は19.7%減であり、前月累計と比べ3.3ポイント低い。製造業は3.3%増にとどまっており、前月累計と比べ1.3ポイント低い。個別産業では、非金属鉱物製品、化学原料・製品などの投資が減少している。
もっとも、こうした第2次産業における一部セクターの伸び率鈍化は、供給側改革進展の結果であり、決して悪いことではない。重要なのは、供給側改革によって減少する分をどこで補うのかということだ。
期待されるのは、新規産業や、サービス産業の投資拡大である。
第3次産業の固定資産投資は全体(6月累計)の57.7%を占め、製造業の39.4%を大きく上回っている。鉄道・道路、水利、電力といったインフラ関連や、不動産、建設、流通などのウエートが大きく、これらのセクターが今後、どれだけ投資を増やせるかが景気動向に大きな影響を与えそうである。