また、民間固定資産投資の鈍化が著しい。6月累計の民間固定資産投資は全国固定資産投資の61.5%を占めることから、この落ち込みの影響は大きい。
もっとも、民間固定資産投資の約半分は製造業である。供給側改革による“良い落ち込み”である部分も大きい。しかし、別の側面として、零細企業が主体であり、景気減速による影響を受けやすい。資金繰りを支えてやるための金融緩和が重要となるだろう。
下期の景気が安定成長するためには、インフラ投資、公共投資の充実や、周到な金融緩和政策の継続などが不可欠である。見落としがちなのは、金融機関の力である。株式市場、債券市場を安定させ、金融機関がその役割をしっかりと果たせるように環境を整備することが重要である。
文■TS・チャイナ・リサーチ 田代尚機