裁判離婚になった場合、ご主人がモラハラしたことを否定したり、暴言を認めても反省してやり直したいと述べて離婚を争うと、まずモラハラの証明が必要になります。
仮にその証明ができてもDVなど、ほかの事情がなくて、モラハラだけを主張して離婚が認められるかは難しいところです。離婚は婚姻関係が破綻して元に戻せない場合でないと認められません。
夫婦げんかで乱暴な言葉が飛び交い、しばし互いに無視をするのは普通にあることです。性格の不一致や人生観の違いなどから深刻な対立になったとしても一方的に責められることではありません。
モラハラ配偶者が反省している場合、夫婦げんかの域を超えたよほどひどい暴言でないと、裁判所は「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとまでは言えないと離婚を認めない可能性があります。
結局、暴言などの程度が重要です。ご主人のモラハラ発言を録音したり、LINEなどでのモラハラな書き込みを削除しないで残しておくとよいでしょう。
職場のモラハラでは、パワハラ同様、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因になるとされています。あなたもご主人のモラハラで精神的につらい思いをしているとすれば、精神科を受診し、モラハラ発言による神経の不調について診断書を書いてもらうことも有効です。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2020年10月29日号