金利が高い時代に借りた人は?
1990年代は住宅ローンの金利が3~5%と高かった。現在60代の人にはこの時代に家を購入したケースが少なくない。そういう人が高金利のまま返済期間を延長すれば、返済総額が膨らんでかえって“ローン地獄”に陥ってしまう。
「金利が高い借金は先に返す」というのが返済の基本だ。かといって先に述べたように、退職金で繰り上げ返済は必ずしも得策ではない。
そこで利用したいのが低金利の住宅ローンへの借り換えだ。「返済条件変更」と違って原則、返済期間は変わらないが、現在の低い金利が適用される。NPO法人『住宅ローン問題支援ネット』の代表理事でファイナンシャルプランナーの高橋愛子氏はこう指摘する。
「金利4%台の住宅ローンを金利1%台のフラット35などに借り換えれば返済額は減らせます。定年後のシニアでも再雇用などで年金以外の収入があれば金融機関の審査を通りやすい。完全リタイアして年金生活に入る前に、借り換えることを勧めます」
ただし、借り換えの場合、申込年齢は70歳までで、数十万円の諸費用が必要になることに注意を払わなくてはならない。
※週刊ポスト2020年10月30日号