コロナ禍が続くなか、日本の株式市場が活気を取り戻している。長引くデフレ不況などで日本市場を敬遠してきた外国人投資家が「アフターコロナ」を見据え、“日本買い”へと戦略をシフトさせているからだ。
米・欧・中と比較しても日本株の強さは際立ち、「来年にも日経平均3万円超え」と口にする専門家は少なくない。果たして、“失われた30年”に終止符は打たれるのか──。
11月、日経平均株価が29年ぶりとなる2万6000円を突破し、バブル崩壊後の高値を更新した。ニューヨークダウも史上初の3万ドル超えを記録するなど、株式市場は大いに沸いている。
新型コロナウイルスの感染拡大“第3波”の最中でも、これだけの上昇局面となっているのは、コロナ対策で各国の中央銀行が大規模な金融緩和を進め、各国政府が財政出動に乗り出していることが背景にある。溢れた大量の資金が株式市場に流入しているのだ。
「なかでも日本株の強さが目立っている」というのは、マーケットアナリストの平野憲一氏だ。
「11月に入って以降、日経平均の上げ幅は欧米や中国の主要指数を上回り、日本株が世界で一番買われているといえます。日本株の売買代金の約7割を占める外国人投資家はこれまで日本株を過小評価して売り越してきたのですが、10月以降は一転、買い越しに転じたことが大きい」
コロナ禍では感染拡大と株高が同じタイミングで訪れていた。「GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)」と呼ばれる米国の巨大IT企業が巣ごもり需要で業績を拡大し、株価が高騰。それら米国株がコロナ第1波、第2波で株高を牽引したのだ。