株式評論家の植木靖男氏が注目するのは、半導体製造装置が主力の東京精密だ。
「半導体関連の受注が好調なほか、医療分野向けの計測器の販売増加で利益改善に期待が膨らむ。また出遅れが目立っていた鉄鋼株なら最大手の日本製鉄、非鉄株では住友金属鉱山なども注目しておきたい」
マーケットアナリストの平野憲一氏も「中間決算で業績の上方修正が相次ぐなど、業績拡大が見込める企業に注目」としてワイエイシイホールディングスを挙げる。
「半導体から有機ELまで多彩な高度技術を持ち、5GやAI関連で需要増が期待できます」
そして、日米のトップ交代に伴って重点政策に位置付けられるのが環境政策だ。バイデン次期大統領がクリーンエネルギーに2兆ドル(約208兆円)もの大規模投資を計画しているように、「脱炭素」が大きなテーマとなりそうだ。
「『国策に売りなし』という相場格言があるように、脱炭素に沿ったEV(電気自動車)や電池関連は注目。EVに使われる温度センサーを手がける大泉製作所、電池関連ではFDKや古河電池などが有望」(前出・藤井氏)
戸松氏も「太陽光発電のウエストホールディングス、バイオマスなど再生可能エネルギー関連のイーレックスなどに注目」という。
このように第1波、第2波の時とは全く違う業界に注目が集まっているのだ。
※週刊ポスト2020年12月18日号