同じ栃木県内には温泉旅館ブランド「界」が鬼怒川、日光、川治にある。この3館合同で、コロナ禍で中止になった益子町の有名イベント「益子陶器市」に携わる人々の思いをつなぐ「リモート益子陶器市」の開催を始めた。元々「界 鬼怒川」では地域の魅力を紹介する毎晩のイベント(ご当地楽)のひとつとして「益子焼ナイト」を開催していたこともあり、「地元に貢献できることはないか」「3密を回避しながら地元の魅力を提供できないか」と考えた結果だと、「界 鬼怒川」の磯部竜総支配人は振り返る。
星野リゾートの強みは、こうしたアイデアがトップダウンではなく、現場の社員たちから提案されることにある。これを可能にしているのが「フラットな組織」だ。社員一人ひとりが自分で考え、意見を出すことのできる企業風土が、コロナ禍における多彩な戦略を生み出した。