広告代理店に勤務する30代の女性・Bさんも、店員の声かけに不満を持つ一人だ。入店とともに店員がすぐによってきて、「ごゆっくりご覧ください」と言われることが不思議だという。「見るためにお店に入っているのに『ご覧ください』って。しかも、言われることで緊張して、ゆっくり見られなくなる」と愚痴をこぼす。Bさんは続ける。
「『サイズもあるので』と言う店員さんもいるけど、サイズがあるかどうか気になったら、こちらから聞きに行きます。あと、『それいいですよねー。私も持ってるんです』って謎のアピールをする店員さんも多い。あなたが持っていても、私が買う理由にはならないというか……。ただ、誰もいないとそれはそれで不便。いざ試着したいなっていうときだけ、姿が見える位置にいて欲しいです。ナチュラルにソーシャルディスタンスしてて欲しい」(Bさん)
食品メーカーに勤務する30代の女性・Cさんは、学生時代に接客業のアルバイトをしていたことから、声かけは万引き防止の意味合いもあると話す。そんな理解あるCさんでも、「声をかけてほしくない派」だという。
「『それ今日、入荷したばかりなんでよ。可愛いですよねー』と個人の感想を述べてくる店員さんは面倒くさい。アウターを手に取ると、トップスやパンツなどを持って来て“勝手にコーデ”する店員もいました。私には私のコーデがある。過去、店員さんの言うままに買って、結局着なくなった服がどれだけあることか……」(Cさん)
店員の声かけ自体はもちろん、そこに「急かされる感覚」が伴うことで、どんどん居心地が悪くなっていくという。
「『買わなきゃいけない』と急かされている気分になり、その流れで買ってしまうと、家に帰ってから失敗したと感じることが多いんです。もう『話しかけないで』バッジを、共通で作って欲しい」(Cさん)
コロナ禍で店員からの声かけを自粛する店も出てきており、今回、紹介した3人とも「いい流れ」と歓迎する。セルフレジも進むなか、ショップ店員のサービスのあり方も変化していくのかもしれない。