「私にとっては割高で実質“値上げ”」
冒頭のソフトバンクの「SoftBank on LINE」に、「これは実質“値上げ”」だと言うのは「LINEモバイル」を利用中のアパレル企業に勤める30代の女性・Bさんだ。LINEモバイルはソフトバンクに吸収合併される方向で、既存プランの受付も停止される予定。そのため現在3GBを1480円で契約するBさんは、戸惑いを隠さない。
「『20GBで2980円、どうだ!』っていう感じですが、私にとっては割高で、実質“値上げ”。今のLINEモバイルのサービスは継続するみたいですけど、廃止か移行の可能性もゼロではないと思うので、今後の契約をどうするか迷っています」(Bさん)
Bさんが困惑するには理由がある。LINEモバイルは、ソフトバンクだけでなくドコモとauの回線も展開中だが、Bさんはドコモ回線で契約している。「ドコモ回線だから」と利用してきただけに、ショックは大きかったようだ。
「もともとキャリアと契約していた時は、ずっとドコモだったので、その安定した通信品質を信頼していました。ドコモにこだわるならアハモ、LINEモバイルにこだわるならそのまま既存プランを継続契約かなと思っています。でも、一番いいのはドコモが小容量プランを出してくること。期待しています」(Bさん)
機械メーカーで働く40代の男性・Cさんは、6GBで約2000円の格安SIMを利用中だ。キャリアが値下げする中で、「これなら格安SIMのままでいい」と言う。
「たぶん、多くの人が欲しいのは、5GBで980円、10GBで1980円みたいな小刻みな小容量プランだと思うんです。私もそれなら大手キャリアに乗り換えようかなと思います。だけど、その役割は格安スマホが担っているので、結局現状維持になりそう。ただ、キャリアの値下げで格安スマホ各社が淘汰されそうなのが心配です……」
2021年1月に新料金プランを発表すると噂されるauは、どんな対抗策を打って出るのか。“第4のキャリア”の楽天は、一部報道では小容量プランに着手するとも言われており、この2社の対応次第では、価格競争がさらに激化することも必至だ。価格はもちろん、小容量プランもセットで改革を願うユーザーたちの声に、各社はどこまで応えられるのか。