コロナ禍で会社の飲み会がなくなり、残念に思っている人たちがいる反面、ホッとしている人もいるようだ。かねてから「飲みニケーション」に否定的な人にとっては、願ってもないことだったかもしれない。とはいえ今でもやはり、「飲まないと本音が言えない」という人たちもいる。
IT企業で働く20代の女性・Aさんは、「あまりコミュニケーションは得意ではない方」だと言うが、お酒と居酒屋の雰囲気が好きなので飲み会は苦ではないという。
「平成生まれですが、昭和っぽいなと自分で思っています。オフィスとかでは言えないことも、独特な空気の中で、お酒の力を借りて言うことができるのは、いいことだと思います。上司も飲み会ではすごく話を聞いてくれて、アドバイスをもらいやすいですし」
だが現在、Aさんの会社では、飲み会は禁止。Aさんは「苦痛」だという。早く対面での飲み会に戻り、あちこちの席を移動して「聞いてくださいよ!」などと上司や先輩に愚痴を吐き出したいそうだ。
消費財メーカーで働く30代の男性・Bさんは、昨今の飲みニケーションを邪魔者扱いする風潮があまり好きではないという。
「確かに飲み会の強要や、頻繁に飲み会を開いて、無理やりコミュニケーションを取ろうとするのは問題だと思います。でも、コミュニケーションの潤滑油として、飲み会を利用することは悪いことばかりじゃない。お酒の席だからこそ仲良くなることもある」(Bさん)
Bさん自身、お酒はそこまで強くないというが、おじさん世代の上司とのコミュニケーションには飲み会を活用せざるを得ないシーンも多い。Bさんはそうした習慣をあえて利用することで、社内でうまく立ち回れていると自負している。