これに対し、FX会社の現受けサービスを利用すれば大きくコストを抑えられる。実際のトレードに適用されているレートで両替できるケースが多いからだ。しかも、銀行の仲値は原則として丸1日同じレートが適用されるのに対し、FX会社の取引レートは常に変動しているので、有利なタイミングを狙って両替することも可能だ。
FX口座で現受けするには、まず両替したい外貨のロング(買い)ポジションを建て、現金化するのに必要なだけの証拠金を追加し、現受け申し込みをすれば、銀行の外貨預金口座に送金されるしくみだ。なかにはマネーパートナーズのように空港で直接外貨の受け取りができるところもある。旅行者には非常に便利なサービスだ。
たとえば、米ドルが100円のときに1000ドル両替する場合、銀行窓口では10万3000円かかるが、マネーパートナーズの空港受取サービスを利用すれば10万700円と、2300円得する計算になる。
米ドル以外の通貨になると銀行の手数料がさらに高額なので、FXの現受けを利用した際のお得度はより高まる。英ポンドが150円のときに1000ポンド両替する場合、銀行窓口なら16万1000円必要なのに対し、マネーパートナーズなら15万700円と1万円以上の差が出るのだ。
ただし、FX口座で現受けする場合は別途手数料が必要になるところがあるうえ、空港受取サービスを除けば外貨を受け取るために国内の銀行の外貨預金口座を開設する必要がある。この場合、銀行のなかにはFX会社からの送金を受け付けるための手数料(被仕向送金手数料、リフティングチャージなど)がかかるところもあるので注意したい。