吉田みく「誰にだって言い分があります」

今年も「保育園落ちた」人たち 主婦2人が振り返るコロナ禍の保活

「就活」と「保活」の両立を目指すも…

 鈴木さんのようにキャリアを積むために仕事をしている人もいれば、長引くコロナの影響により働きに出ざるを得ない人もいる。

 都内在住の専業主婦、石井久美子さん(仮名・27歳)は、夫の収入減少をきっかけに働きに出ようとしていたが、保育園に入れなかったことで計画が大きく変わってしまったと嘆いていた。旅行代理店で働く夫と1歳の娘の3人家族である。

「結婚したら専業主婦として家族を支えていくつもりでしたが、コロナの影響で夫の収入だけでは厳しいと感じるようになりました。社会に出て働けるか心配でしたが、私なりに頑張って就活したんです」(石井さん)

 1歳の娘の育児をしながらの就活は、想像以上に大変だったという。面接までたどり着いたところで、「子供が発熱したらどうしますか?」「子供は預けられますか?」といった質問を嫌というほどされたそうだ。

 コロナ禍で求人が減っている中、ようやく見つけることができたのが化粧品卸売業のパート事務だった。あとは保育園さえ決まれば……と思っていた石井さんを現実が襲う。

「今まで働く予定がなかったので、子どもが0歳児の時点では『保活』していませんでした。そのため、待機児童による加点は無し。それに加え、私はパート勤務。他の家庭と比べると、点数が低かったようです……」(同前)

 保育園に落ちたことをママ友に話すと、「保活、そんなに甘くないから〜!」と言われてしまったという石井さん。幸い実家が近く、保育園が決まるまでは実母が世話をしてくれることになったそうだ。だが、石井さんとしてはモヤモヤが残る結果になったという。

「子供に集団生活を経験させたかったのが本音です。それに母も決して若くない。毎日娘を預けて大丈夫なのか……、いまだに不安は残ります」

 SNS上には、来年度入園の保育園の話題で盛り上がっている。「受かったー!」という声もあれば、「ダメだった……」といった落胆の声も。年々待機児童問題は解消されつつあるようだが、全ての働く親たちが笑顔になるのはまだ先のようだ。

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