相場とは、自分自身がポジションを持ったことにより抱く恐怖や欲望との戦いです。ポジションを持ったあとの感情のコントロールは、相場がどの方向に進むかという予想以上に、ある意味重要と言えるでしょう。
アゲンスト(含み損を抱える)になれば、損をする恐怖との対決になりますし、フェーバー(含み益を持つ)になれば、今が利食い場か、いやまだ我慢して引っ張るかの自分の欲望との対決になります。
アゲンストは、ロスカットオーダーによって、損失を限定できますが、難しいのはフェーバーな時で、どこで見切って利食うかという自分の欲望との戦いのほうです。
相場の格言に「まだはもう。もうはまだなり」という言葉がありますが、この見極めはなかなか難しいものがあります。
よくあるのは損切りがついてしまったが、悔しさのあまり、すぐにポジションをもともとの方向に再度作り直してしまって、またやられてしまう。利食いしたら、相場がさらにフェーバーな方向に動き、これまた、しくじったとばかりに、ポジションを持ち直すと、相場が逆転して、利益を減らしてしまったなどなど。
さらには、未実現益(確定していない利益)が出ていることに満足してしまい、利食いを忘れてしまって、結局はチャラだったということも、私自身経験しています。
要はいったん、損切りにしろ、利食いにしろ、いったんこうと決めて、ポジションを閉じて損益を確定したら、休むことが肝要です。休むことにより、平静な気持ちに戻ることが大事です。
いらだち、焦り、悔しさなど、感情が高ぶっている時にポジションを持っても、良いことはまずありません。
古老のように淡々として「そうですか。損切りがつきましたか。ダメですなあ」というぐらいの心持ちが、かえってうまくいく秘訣なように、私は思っています。ただし言うは易く、行うは難しですが。
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