中国共産党は5月の時点で、「景気はV字回復せず、L字回復が数年続くといった認識のもとで、ひたすら供給側改革を進める」といった方針について、マスコミを使った報道や、中央財経領導小組会議などを通して示している。
現在の経済政策において、レバレッジの縮小が一つのテーマとなっている。
これらの政策が総合的に作用して、株式市場への資金流入を抑え、証券会社の無理な営業姿勢を改めさせ、投資家心理を安定させているといえよう。
日本銀行はマイナス金利の導入からETF(上場投資信託)購入まで行っている。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式積極運用を含め、日本市場は、資金流入によって相場が支えられている。欧州もそれに近い状態である。
アメリカは昨年12月に利上げを行っており、ほかの先進国と同じとは言えないが、通常の利上げサイクルでは見られない遅いペースの利上げを余儀なくされている。経済については見方が分かれており、株式市場の活況は金融面での下支えが重要な要素となっているとみるべきである。