義父母、義祖父母のために“タダ働き”を強いられた当の宮本さんは「お金をもらえなかったのは悔しいけれど、遺産を持っていった夫のきょうだいがお盆にうちに来るたびに胸がスッとします。自分の親の面倒を見ずにお金だけもらったのが相当後ろめたいんでしょうね。お線香をあげに来ても、私の前で義両親の思い出話をすることができないんですから」
と余裕の表情。お金がもらえたからといって“勝ち”ではない、特殊なケースだといえる。
相続は「仏様を誰が持つのか」から始めるべきだと、税理士法人アイエスティーパートナーズ代表の高野さんは言う。
「亡くなった人を放り出してまで財産を奪い合わないでほしい。お骨や仏壇、墓石を誰が守るのか。そこから決めていけば自ずと取り分は決まってくるはずです。きょうだいの権利は平等ですが、お金を均等に分けると不平等になる。まず“お墓を誰が守るのか”から進めれば、円満になる可能性は高まるはずです」(高野さん)
※女性セブン2021年3月11日号