「コロナで学生生活がめちゃくちゃになったけど、今まで頑張ったのに……。前回のGo Toの時期は就活、卒論と忙しかったのですが、世間は旅行を楽しんでいましたよね。それで、いざ、私たちの番だってなったら『学生は卒業旅行中止で』って、ひどくないですか?」
Bさんは感染対策をしっかりしながら、「一人旅」を出かけることを計画しているという。
「外食やお酒は、一人で黙々とすればいいんですよね。なら旅行も混雑を避けて、一人ならいいでしょ? 友人と行けないのは寂しいけど、やっぱり学生最後というのは人生で一度きりしかない。いろいろと気持ちの整理をしたいので、どこかにフラッと出かけたいと思います」(Bさん)
一方で、大学生の子供を持つ親も複雑な心境のようだ。大学4年生と社会人の2人の息子を持つ50代の主婦・Cさんは、「こんな思いをするのは2度目」と明かす。
「上の子は、東日本大震災が起きた2011年に大学を卒業しました。その年は卒業式も卒業旅行も中止になり、長男は当時『卒業した気がしない』と言っていました。震災とコロナでは状況が違うとは思いますが、次男もこんな憂き目に遭うなんて……。ただ、長男は卒業から3年後に学生時代の仲間と集まって旅行をしました。卒業旅行を逃した人向けの旅行プランを出しているところもあるようですし、なんとか前向きな気持ちで過ごしてもらいたいと思います」(Cさん)
コロナ禍の矛盾する政策に振り回される学生たち。卒業旅行の自粛を余儀なくされるのであれば、Go Toトラベル再開には納得できないのも当然だろう。