コロナ禍でカラオケ店でのクラスター(集団感染)発生が報じられることも少なくない。そうしたこともあってか、大手チェーン店では検温、アルコール消毒だけでなく、完全無人のセルフレジを導入したり、ドリンクバーサービスを停止したりと、様々な感染対策を講じている。
それでもやはり、大声で歌を歌うと飛沫感染リスクは避けられないが、その利用実態を見ると「歌を歌わない」利用者もいるようだ。その一例が、オタク活動をする若者たち。いったいどんな利用の仕方をしているのか。ジャニーズのファンだという大阪府在住の女子大生・Aさん(20代)は、「オタ活」のためにカラオケを愛用しているという。
「私はコロナになってから、もっぱらオタク友達とカラオケに『デュアル』しに行っています。デュアルというのは、カラオケに設置された巨大なデュアルモニターに持参したアイドルのDVDを流して、ライブさながら盛り上がったりする遊びです。自分たちは歌いませんし、マスクをしたまま楽しんでいるので、飛沫は飛んでいないと思う。
私は、関ジュ(関西ジャニーズJr.)のファンなので、オタク友達と一緒にカラオケに関ジュのグッズを持って行って、そこで巨大なモニター越しに『推し』を見て、ストレス発散するというのが唯一の楽しみです。コンサートがない今、楽しみはこれくらいなので、許して欲しいです」(Aさん)
アニメ『呪術廻戦』のファンだという都内の女子大生・Bさん(10代)とCさん(20代)も、カラオケで歌を歌わずに「オタ活」に励んでいるという。
「『呪術廻戦』の五条悟というキャラクターが好きです! 『廻廻奇譚』と『LOST IN PARADISE feat. AKLO』(アニメのOP、ED主題歌)という曲を入れるとアニメ映像が流れるので、何度もこれを連続でいれてオタク仲間と一緒に『五条様カッコイイ!』と盛り上がっています。ハニートーストなどを注文して、持参した『呪術』のキャラと一緒に写真を撮ってインスタやTikTokにアップするのが楽しいですね」(Bさん)
Cさんも『呪術廻戦』ファンの友人と一緒に、グッズを持参してカラオケに出向いているという。
「わたしは友達と一緒にカラオケに行って、ネット接続でモニターにNetflixを映して、『呪術廻戦』のアニメを流して楽しんでいます。友達の家に行けないので、一緒に映像を見る場所として利用しているイメージですね。緊急事態宣言の影響で延期されていた『呪術廻戦』と『カラオケまねきねこ』のコラボの再開も楽しみです」(Cさん)
ネット接続やデュアルモニター、コラボイベントなど、カラオケを楽しむ方法も多様化している。カラオケは歌を歌う場所だから飛沫感染リスクが高いというイメージを持つ人もいるだろうが、歌を歌わずに楽しんでいる人たちがいるのも、また事実のようだ。