小学校時代の同級生たちの視線が痛くて…
Sさん(30代/男性)は、中学校に近かったことで30才を超えた今でも苦労している。
「私は中学時代、授業中も休み時間中も四六時中、教師に見張られているような問題児でした。ただ、普通なら、卒業すれば縁が切れますが、私の両親は中華料理屋をやっていて、店は中学の正門の目の前。卒業後も中学時代の教師がひっきりなしに店にやって来て、その度に『Aは元気ですか?』『マジメにやっていますか?』と両親に聞くのです。親もいい加減、その質問にウンザリしていますが、客なので愛想良く返事しているそうで、親と顔を合わせる度に、『アンタのせいで……』と愚痴られます」(Sさん)
習い事の教室が近すぎて災難に遭ったのは、Kさん(30代/女性)だ。
「小学生になった娘が『ピアノを習いたい』と言い始め、同じマンションに住むママ友に相談したところ、マンション内でピアノを教えている家があることを知り、通わせ始めました。しかし教え方が合わず、娘が『行きたくない』と言うため、あっという間に辞めることに。その先生とエレベーターなどで会うと気まずい上、紹介してくれたママ友ともギクシャクしてしまいました」(Kさん)
辞めた後も距離を置けないのは、確かに嫌なものだ。最後に、ちょっとレアケースだが、気の毒なエピソードを紹介しよう。都内に住むOさん(40代/男性)は、中学生活3年間にわたって辛い思いをし続けた。
「私が通った小学校は、我が家の真裏にありました。高校まである私立の一貫校で、兄も同じ学校の出身。クラスの大半は電車通学で、自宅が超近い私はちょっとした有名人でした。兄のように、高校卒業まで電車通学なしで過ごせるものと思っていましたが、そうはいきませんでした。
その学校は、小学校から高校までエスカレーター式に上がれますが、中学に上がる時にほんの少しだけ“ふるい”に掛けられ、成績が悪い子は追い出されてしまいます。勉強が苦手だった私は数少ない“落ちこぼれ組”に入ってしまいました。仕方なく公立の中学に通うことになりましたが、その中学は、行くはずだった私立中学の目の前です。