コロナ対策では、中国政府の対応の迅速さ、手際よさが目立つのだが、やったことは非常にシンプルだ。短期間だが徹底的に人流を押さえるのと同時に、迅速で広範なPCR検査の実施、感染者、濃厚接触者の厳格な隔離、徹底治療である。さらに、付け加えるとすれば早急なワクチン開発である。
日本の現状は、インドを支援するどころか、変異株の蔓延により主要都市で緊急事態宣言を再度打ち出さざるを得ない状況だ。このままでは、オリンピックを開催しようにも、どの国の選手も感染を恐れ、参加を辞退しかねない。
中国の成功例を参考にするとすれば、短期間だが徹底的に人流を押さえた上で、全市民にPCR検査を実施し感染者、濃厚接触者を特定、そうした方々を厳格に隔離し、治療するといったところだろう。経済支援も大切だが、その前にやることがあるはずだ。難しいのはわかるが、中国はやって成功している。政府のリーダーシップが求められるところだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動中。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。