家計

クラウド会計ソフトとビジネスカードの連携で経理作業の大幅短縮を実現

煩雑な会計処理をスムーズに行なうにはどうすればよい?

煩雑な会計処理をスムーズに行なうにはどうすればよい?

 毎年、確定申告の度に会計処理に苦労している人もいるだろうが、そうした人にとって心強い見方となるのがクラウド会計ソフトの存在だ。さらにクラウド会計ソフトとビジネスカードを連携させると、より利便性が高まるという。いったいどういうこと、以下、解説していこう。

「クラウド型」会計ソフトの市場が拡大

 事業を営んでいる個人や法人にとって、今や欠かせない存在になっているのが会計ソフト。業務に伴う資金の流れを簡単に記録でき、面倒な現金出納帳や総勘定元帳などの作成の手間も大幅に省ける優れモノだ。

 従来は、パソコンにインストールして使用するパッケージ型の会計ソフトが主流だった。それが、近年、いわゆるクラウド型の会計ソフトの利用が拡大している。クラウド会計ソフトとは、インターネット経由で会計ソフトを利用するサービスのこと。パソコンにソフトをインストールすることなく、ネット上のクラウドにアクセスすることで、パソコンやスマホなどで利用できるタイプだ。

 民間の調査会社のレポートによると、クラウド会計ソフトの利用は年々増加傾向にある。2019年度分の確定申告を実施した個人事業者で、会計ソフトを使っている人の内、21.3%がクラウド型だとされている(MM総研『クラウド会計ソフトの利用状況調査』)。20%を超えたのは、同調査開始以来、初めてのことだという。

行政手続きのデジタル化は税制にも影響

 クラウド会計ソフトのシェアが伸びている理由としては、当然、利便性の高さが浸透してきたことが挙げられるが、政府の“後押し”も見逃せない。菅義偉政権の下、行政手続きのデジタル化の動きが加速している。

 すでに、中小企業や個人事業主がデジタル化に取り組むことに対する優遇措置も始まっている。2020年分の確定申告から、青色申告の特別控除の金額が65万円から55万円に減額されたが、確定申告の書類を『e-Tax』(国税電子申告・納税システム)か、または、電子帳簿保存に対応したソフトを導入すれば、控除額は65万円のままとなり、税金面で優遇される。

「e-Tax」を活用すれば税金面での優遇も

「e-Tax」を活用すれば税金面での優遇も

「電子帳簿保存法」の改正で紙の領収書は不要に

 また、2020年10月には電子帳簿保存法が改正された。電子帳簿保存法とは、「保存の義務がある国税関係の帳簿を、本来の紙の保存から電子データに替えて保存することを認める」という法律だ。1998年に施行されて以来、何度も改正を繰り返しているが、今回の改正は電子データでの保存の要件を大幅に緩和した内容となっている。そのため、企業や個人事業主の経理業務のデジタル化が大きく進む見通しだ。

 この改正された電子帳簿保存法の中身は多岐にわたるが、経理業務に大きな影響が出そうなポイントを1つ紹介すると、経費などの領収書について、これまでは確定申告をした後でも7年間は保存する必要があったが、一定の条件を満たしたキャッシュレス決済であれば、紙の領収書の保存は不要となった。

 クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などの、いわゆるキャッシャレス決済は条件を満たしているので、紙の領収書の保存は必要なく、しかも、決済したデータが領収書の代わりとなるため、そもそも領収書をもらう必要がなくなった。キャッシュレス決済の利用明細が、領収書の代わりとして認められるのだ。領収書を保存しておくスペースや、支払い時にもらう手間を省けることになる。

「クラウド会計ソフト」で経理業務を省力化

 こうした法改正による規制緩和のメリットを受けるには、クラウド会計ソフトの利用が早道といえる。例えば、クラウド会計ソフトの中には、金融機関のデータを自動で取り込む機能がある。銀行やクレジットカード会社、電子マネー、QRコード決済業者などと、オンライン上で連携ができるので、決済を行うと、その都度、会社の帳簿に日付や金額、取引先などの利用履歴が自動的に記録されるのだ。

 しかも、決済の内容をクラウド会計ソフトが判別して、勘定科目を決めてくれるので、仕訳も自動で行ってくれる。いままでの、経理をする人が取引明細を見ながら、パソコンのエクセルの画面に入力をしていく――という仕訳作業を大幅に減らすことが可能となる。

『freee』は改正電子帳簿保存法に完全対応

 ただし、注意して欲しいのは、クラウド会計ソフトと呼ばれるすべての製品が、そうした機能を持っているわけではないという点。ソフトによっては、銀行やクレジットカード会社との連携や自動仕訳といった機能が無いものもある。

 そうした意味で、『クラウド会計ソフト freee』(以下、freee)は、これまで述べてきたような機能はすべて有している。特に、AI(人口知能)を活用した自動仕訳の技術については、2014年に特許を取得しており、精度の高さでは他の製品と比較して抜きん出ている印象だ。しかも、経理や簿記などの専門知識や経験が無くても、ソフトが扱えるように設計されている。経理作業を自分でやっている個人事業主や経営者にとっては、心強いパートナーとなってくれるだろう。

『クラウド会計ソフト freee』はクレジットカードとも連携

『クラウド会計ソフト freee』はクレジットカードとも連携

『freee』に最適なビジネスカードとは?

『freee』をビジネスカードと連携させると、さらに利便性は向上する。さまざまな経費の支払いをビジネスカードに集約すれば、仮払いや立替金といった現金が不要になるほか、経費の計上漏れや不正な清算の防止、そしてこれまで述べてきたように経理作業が大幅にラクになる。

 また、『freee』には「API連携」が使えるビジネスカードがある。API連携とは、ユーザーのネット上のIDやパスワードを、『freee』の中に保存しないで、ネット上で連携させられる機能である。その結果、セキュリティがより強固になり、正確にデータを取り込むことができる。

「API連携」ができるビジネスカードは限定されているが、『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード』なら、無条件で利用可能だ。加えて、カード会員特典として、『freee』が無料で使える利用期間(30日間)が用意されている。『freee』に新規会員登録すると、通常、30日間の無料利用期間があるので、合計60日間無料で使えることになる。

 カードの年会費や『freee』の利用料は、当然、経費扱い。経理作業に割いていた時間が“浮く”ことになれば、ほとんどのユーザーにとって、コストパフォーマンスは悪くないだろう。

アメックス-メタルカード

取材・文/ファイナンシャルプランナー・松岡賢治(まつおか・けんじ)

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