「酒類の提供は一切なく、参加費は普段よりも安く設定されているようでした。それでも男性は1万円弱と決して安くはありませんが、友達ができたらいいなと思い、参加することにしたんです」
そう明かす藤田さんは、妻の出勤日に合わせ、既婚者合コンに参加した。会場はアルコール消毒や検温、パーテーションの設置などがされており、安心できたという。しかし、パーティーが始まると、徐々に不安が増してきたそうだ。
「最初は雑談で盛り上がっていましたが、徐々に参加者同士の距離が近くなっているように感じました。友達作りは建前なのかなと……。お酒は飲まないとはいえ、場が盛り上がれば自然と声も大きくなるのは当り前ですよね。万が一、ここでコロナに感染したら……そう思ったら、参加したことを後悔するようになりました」
日頃の愚痴を発散できると思っていた藤田さんであったが、実際はそのような話をする雰囲気ではなかったそうだ。隣になった男性と他愛のない雑談をし、既婚者合コンを後にしたという。二次会にも誘われたが、藤田さんは家に帰ることを選んだ。
「ステイホームが呼びかけられている中での外出。それも既婚者合コン。感染経路をたどられたら、妻から離婚を言い出されるかもしれません。実際に何かあったわけではないですが、妻にも会社にもオープンに話しにくい集まりであることは確かです。早くコロナが収束し、何も気にせず居酒屋で一人酒が楽しめる日々に戻りたいです……」
自分としては離婚は絶対に避けたいという藤田さん。状況を改善させたい気持ちはあるものの、妻とどのように接したらいいのか分からなくなったため、最近はインターネットの質問サイトでアドバイスをもらっているそうだ。
新型コロナウイルスと向き合う日々が長くなっていることもあり、誰もが心身ともに疲弊してきている。大切な人との関係が悪化する前に、気持ちをリフレッシュできる方法を考えてみるのも良いかもしれない。