こうした歴史的背景に加え、日本人のメンタリティーが孤独に拍車をかける。精神科医の樺沢紫苑さんは、「孤独は『孤毒』と言い換えられるほどの害がある」という米ブリガムヤング大学による孤独と死亡リスクに関する研究を紹介しているが、「そもそも日本人は友達の基準が高すぎる」と指摘する。
「日本人は小さい頃から『みんな仲よく』『友達はたくさんつくろう』と教えられますが、現実にはクラスみんなと仲よくすることは不可能です。誰かと仲よくすることで大切なのは、数ではなく質。『孤毒』を避けるには、親しい友達が1~2人いればいいはずです」
真鍋さんも声を揃える。
「人によって適度なコミュニケーションのラインは異なります。友達と週1回会えばあとはひとりでも満足な人がいる一方、誰かと一緒に住まなければ寂しさが埋まらなかったり、反対に同居しても個室がなければ息苦しさを感じる人もいる。孤独から解放されるための第一歩は、自分が他人に何を求めているかを認識すること。話をする相手なのか、不安を相談したいのか、ただその場にいてくれればいいのか把握することが重要です」
※女性セブン2021年6月24日号