株式市場では、世界的に金融政策の動向が注目されているが、中国の金融政策はどうなっているのだろうか?
7月26日に行われた中央政治局会議では、下半期の経済運営について方針が示された。供給側構造改革を進めること、経済の安定成長を保つこと、そして資産バブルを抑えることなどが大目標となっている。
経済政策については、引き続き積極的な財政政策と穏健な金融政策のポリシーミックスを実施するとしている。金融政策としては緩和政策を採っているかのように聞こえるが、実際はそうでもない。
まず、公開市場操作についてであるが、翌日物のshibor(上海銀行間取引金利)の動きをみると、2015年6月1日には1.027%まで下がったものの、2015年9月以降は1.9%前後まで上昇している。その後少し低下した時期もあったが、今年1月以降は、2%前後でほぼ固定されている。2週間物、1か月物、6か月物などについては今年の春に少し上がって7月以降は逆に少し下がっているが、ここ数年の動きと比較すれば、相対的に小さな変化である。
一方、特定の金融機関に対して、7日以内の期限で中国人民銀行が資金を供給したり、回収したりするSLOや、3か月、6か月の期限で当局が資金供給を行うMLFなど、新しい資金供給システムが積極的に使われている。ただし、これらは、農村向けや中小企業向けなどに資金使途を限定するための金融ツールであって、貸出量の拡大というよりも、貸出の質の向上を図るといった側面が大きい。