焦って受ける必要のない検査も
コロナ禍で拡大したオンライン診療を利用する手もあるが、対面診療ならではのメリットもある。
「オンラインに比べて対面診療は情報量が多く、触診で肝臓やリンパの腫れがわかることも。薬のコントロールだけならオンラインで可能なので、両者を併せて使いこなすのが理想的」(同前)
一方、コロナ以前に健診や人間ドックを定期的に受けていても、ワクチン接種後に焦って受ける必要のない検査もある。
「脳や心臓など血管系のCTやMRI検査は身体のどこかに症状があったり、生活習慣病のコントロールができていない場合を除き、ほとんどの人で必要性は低い。胃のバリウム検査は誤嚥や腸が詰まるリスクがあるので、胃を調べるなら内視鏡のほうがいいでしょう」
「全身のがんなどを一度に調べられる」とされるPET検査も同様だ。
「胃がんや大腸がんをPETで調べるには、すでに症状が出ているレベルまで大きくないと発見できず、早期発見という観点では意味がないことが多い。医療被曝のデメリットもあります」(同前)
“コロナ後の健康不安”に向き合うには、より一層の冷静な判断が求められる。
※週刊ポスト2021年7月2日号