東大は、勉学において優秀なだけでなく、想像力・発想力のある人材を求めているのだ。
となれば当然、全国から優秀かつユニークな人材が集まり、化学反応が起こる。教育イノベーターの本山勝寛さん(工学部卒)は、東大卒業後に米ハーバード大学の大学院に進んだ。日米のトップ校で学んだ教育のプロは、本当に優秀な人材は、“なぜ”と“多様性”から生まれると語る。
「ハーバードでは、“異なるもの同士の組み合わせ”が起こる環境を意図的につくっています。性別、人種、民族など、世界中から多様なバックグラウンドを持つ学生や教師陣を集め、異質な者同士の組み合わせによる化学反応に期待しているのです。
東大は、欧米と比較すれば、留学生が少なく、性別の偏りもある。世界的に見れば、多様性は不足しています。しかし、入試問題にも表れているように、暗記した知識の量ではなく、基本的な知識や理論を駆使して自分の頭で多角的、かつ論理的に考え抜くのを重視する姿勢は、入試から授業まで一貫しています。出会える学生や教師陣の質のほか、日本語で学び、研究する場としては、やはりトップだといえるでしょう」
西岡さんも、キャンパスに集まる「人」こそが、東大の最大の財産だと話す。
「先輩も同級生も、知識量が多いだけでなく、意識も高い。こうした人に囲まれ、切磋琢磨することが当たり前の空間に身を置けるということが、東大生の最大のアドバンテージだと感じています」(西岡さん)
※女性セブン2021年7月1・8日号