コモディティ(商品)といえば、金、原油などが想起されるが、木材もそのひとつ。そして木材価格の値動きは、株式市場の先行指標にもなり得るという。はたして木材価格をトレードに活かすにはどんなポイントをチェックすればよいのだろうか。カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが木材価格と株式市場の相関について解説する。
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木材価格は普段チェックしない人もいるかもしれませんが、米株市場の先行指標として活用することが可能です。
木材は建築資材として利用されることが多く、木材の仕入れ価格が上昇していると建築費用も上昇しやすい。木材の供給量は急激に増加するものではありませんが、景気回復局面では建築需要が増加することから、木材価格は上昇する傾向が見られます。
つまり景気が良くなりそうなときは先行して木材を仕入れようとする動きが強まり、木材価格が株式市場よりも先に動き始めるケースがあるため、株の先行指標として考えることができるということです。
木材の先物市場に目を向けると、昨年のコロナ・ショック以降、米株や日本株市場が回復する中、価格は大きく上昇しており、2020年3月頃の価格に比べ、2021年5月には4倍ほどまで高騰。ただし直近では米株や日本株市場と同じように木材先物市場の上昇は一服しています。
市場関係者の中には足元の木材価格の調整は、景気拡大が一旦止まってしまう示唆ではないかと考える人もいるようで、今後の木材価格の動きには注目しておいても良いかもしれません。
木材に限らず、コモディティの価格は需要と供給に左右されることが多いです。また、金利もつかない市場の商品なので需要がなくなれば価格は下落しますし、供給量が大幅に減少すると価格は上昇します。コモディティ市場を見るときは、こうした需要と供給のバランスをチェックするように心がけると良いと思います。
テクニカル分析を使えば、こうした需給バランスをチェックすることが可能です。また、細かいエントリーポイントを探すためには、相場に関連するニュースをチェックするのは当然として、チャートを分析することが大変有効だと考えています。投資初心者の人はテクニカル分析・チャート分析をぜひ勉強してほしいです。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)