短期のリバウンドを狙うならマザーズ銘柄か
まず、東証1部の騰落レシオ(10日間)が50以下になった日の翌営業日の寄り付きで株を購入したとする。
「短期的なリバウンド」を狙う場合は株を買った日を含めて5営業日保有し、その翌営業日の寄り付きで手仕舞いし、「中長期的なリバウンド」を狙う場合は60営業日保有し、翌営業日の寄り付きで手仕舞いするというシミュレーションを行なった。
バックテストの期間は2000年1月4日から2016年6月30日まで。この期間で東証1部の騰落レシオが50以下になったのは合計37回あった。大雑把にいえば、年に2~3回起きる暴落局面と考えればいいだろう。
まずは「短期的なリバウンド」の結果を見てみよう。初期条件の通り、購入したら5営業日保有し、翌営業日に売却すると、総取引回数約26万回のうち約17万回で利益が出て、約9万回で損失となった。勝率は約65.24%で、平均利益は6.38%、平均損失は4.43%。利益期待値は2.62%だった。
これだけでも悪くはない結果であるが、「市場別」で見るとより効率よくリバウンドを狙うことができる。東証1部(66.54%)とマザーズ(66.05%)の勝率がやや高く、マザーズの期待値は5.04%と非常に高い。
これは新興市場らしく、まさに「ハイリスク・ハイリターン」ということであるが、そもそも約1週間しか保有しないことを考えると比較的リスクは限定できるので、マザーズ銘柄を狙っていくのがいいだろう。
また、「暴落日までの過去25日間の騰落率別の勝率と期待値」を見ると、下落幅が大きいほど期待値は高く、勝率も高くなる傾向がある。
これらのデータを総合すると、「東証1部の騰落レシオが50以下になったら、直近25日間の下落幅が大きいマザーズ銘柄を翌営業日に買って5営業日保有し、翌営業日に売る」という戦略が有効だと考えられる。